皆様、ご無沙汰しております。
深津です。

諸事情により、
しばらく記事更新が
できませんでした。

記事更新を楽しみに
お待ち頂いていた皆様には
誠に申し訳ありませんでした。

謹んで、お詫び申し上げます。

 * * * * *

さて、今日は
『家づくりに潜む、落とし穴』
について、お話します。

今の日本では、
信頼できる建築士を見つける
『良い方法』が、
なかなかありません。

だから、
ハウスメーカーに頼むより、
建築士に頼んだほうが良い家ができる、と
うすうす気づいている人でさえ、

「どこで建築士を探せばいいのか分からない」
「どの建築士を選べば良いのか分からない」
と、おっしゃいます。

実際、そこでつまずいて
結局ハウスメーカーに依頼する人も
少なくありません。

それでも、建築士を探そうとする
住宅にこだわりのある人たちは
本当に、熱意のある人たちだと思います。

そんな、熱意ある人でさえ、
うっかり陥り易い、落とし穴
実は、あるのです。

●「有名」の意味

建築士を探す時の基準として、
多くの方が

『すでに実績があって 
 有名な人なら大丈夫だろう』

という発想をなさるのが
自然な流れだと思います。

しかし、
実は、そこに盲点があるのです。

『有名な人』・・・。

何を基準に、
『有名』だと判断しますか?

多くの人は、
雑誌等で紹介される建築士こそ
有名だ
と思うのではないでしょうか。

聞いたこともない建築士より、

たった1ページでも
雑誌に掲載されたことのある
建築士のほうが、

当然、『有名』だと思いますよね。

実際、マスコミの力は絶大です。

掲載された途端に、
問い合わせが増えます。

ただ、ここでいう
『有名』というのは、

単に
『多くの人に知られるきっかけ』
に過ぎないのです。

ここで、
興味深い事実をお話します。

建築系の雑誌は、
実は、
建築士事務所に『営業』に来ます。

ある日突然、電話があり、
『おたくの設計事務所の作品を
 紹介する記事を載せないか』

と、言われます。

そして、
アポイントをとりつけて、
設計事務所にやってきます。

おもむろに、事例を差し出して、

『例えば○○ページ分ですと
 これくらいの情報量を紹介できます。』

と、実際の掲載例を示してくれます。

うっかり、
乗り気になりそうになると、

次の瞬間、
足をすくわれます。

次の瞬間に言われることは、

『掲載料は○○万円なら○ページ』

です。

誤解のないように
解説しますと、
ここでいう掲載料とは、

雑誌の製作会社から設計事務所へ支払う
『取材協力へのお礼』ではありません。

設計事務所から雑誌の製作会社へ支払う
『掲載してもらうための費用』です。

前者(取材協力へのお礼)が払われるのは
世界的に有名な、一握りの建築士だけです。

その他、多くの建築士や設計事務所へは、
後者の方法がとられるのです。

そう、
雑誌の記事の多くは
設計事務所が、自らお金を払って、
載せてもらっているのです。

簡単に言えば、
『記事=まるまる広告』です。

では、雑誌の製作会社は
どのような基準で
雑誌に掲載するかどうかを
決めるのでしょうか?

掲載したいと思うほど、
いい建築作品を
作っているから?

それとも、
掲載したいと思うほど、
写真写りの良い建築作品を
作っているから?

もちろん、
どちらもあるでしょうが、

実は、
それ以前に重要な
掲載基準があります。

それは、

その設計事務所は、
掲載料をいくら払ってくれるのか

なのです。

●「有名」のカラクリ

この記事をご覧頂いている
あなたも、
うすうす、分かってきたと
思いますが、

結局、多くの建築士は
『お金を払って、掲載してもらう』
という方法をとっています。

その理由は、

掲載料を払ってでも、
それによって集客できれば、
掲載料以上の利益が入るから、
です。

もう少し正確に言うと、

掲載料を払ってでも、
それによって集客できれば、
掲載料以上の利益が入る
『かも知れない』から、

です。

何故、
『かも知れない』
なのでしょうか。

実際、お客様からの問い合わせは
増えるかも知れませんが、

実力のない建築士なら、
それだけでは
仕事には、つながらないからです。

しかし、
お金を払って、
記事を載せてもらう以上、

雑誌の制作会社にとって
設計事務所は、
大事な収入源ですから、

設計事務所にとって
都合の悪いことを
わざわざ書くことは、
しないでしょう。

さも良さそうに記載して、
あとは知らない。

雑誌の制作会社にとっては、

『読者に正確な情報を伝える』
ことよりも、

『読者に雑誌を買ってもらう』
ことのほうが
重要だから
です。

読者がとびつきそうな記事にして
売り上げを伸ばせさえすれば、
極端な話、記事の内容なんて
どうでもいいわけです。

本気で『良い建築』を
特集しようとしている
雑誌では、
多少はマシでしょうが、

最後は
『掲載料』がモノを言います。

その結果、
雑誌の読者が得られる情報とは
何なのでしょうか。

冷静に考えれば、
かなり偏った情報であることが
お分かり頂けると思います。

広告料みたいに、
掲載料を払って
記事を載せてもらっている
設計事務所。

そこから読み取れるのは、
掲載料を払ってでも
集客したくて困っている、
という事実
なのです。

それは、すなわち、
以下のどちらかであることを
意味します。

・実力のない建築士

・実力はあるかも知れないけど
 独立したばかりの建築士

本当に実力のある建築士は、
仕事を重ねる毎に、
クチコミで仕事が増えます。

実力のない建築士は、
悪いクチコミしか広がりませんので
仕事がとれません。

独立したばかりの建築士は、
実績が皆無、または少ないので
クチコミ効果がまだ発揮されません。

だから、どちらの場合も
『お金を払ってでもいいから、
 より多くの人に知られたい』
と思うのです。

よく、
『本当に実力のある建築士は
 マスコミの取材を断る』
という話を聞きますが、

私自身も、
雑誌の取材のカラクリを知った時、
その理由が分かりました。

結局、簡単に言えば、

雑誌に載っていようがいまいが、
いい仕事をしてくれるかどうかの
判断には、役に立たない

ということなのです。

雑誌だけではありません。

某TV番組で紹介された建築士が
裁判沙汰になっていたりします。

つまり、
TVで紹介されている
建築士たちも、

本当に良い人から
訴えられるような人まで
千差万別だ
、ということです。

TVでは、
最も追求されるのは、

その建築士の
『実力』ではありません。

『TV映りの良さ』です。

なぜなら、
『視聴率』が欲しいからです。

演出のために、
実際の工事では必要のない
無駄なパフォーマンスを
させたりします。

だから、TVで観た時に
すごい人のように見えますが、

実際のところは、

本当に良い人から
訴えられるような人まで
千差万別なんだ
、ということを
忘れないようにして下さい。

●本当に良い建築士を選ぶ方法

結論から言うと、
本当に良い建築士を選ぶには、
以下の4ステップが重要です。

==========
1 まず、建築士と会って話す
2 話が合うか、確かめる
3 建築士の手がけた住宅を訪問する
4 その住まい手に感想を聞く

==========

順に解説しますと、

==========
1 まず、建築士と会って話す
==========

まず、その建築士と直接会って、
話をすることです。

多くの建築士は、
最初の相談は無料をうたっています。

遠慮せず、電話でアポイントをとり、
直接その事務所を訪れて、
話をしてみましょう。

==========
2 話が合うか、確かめる
==========

自分がどんな住まいを
求めているのか、
伝えてみましょう。

また、相手の建築士は
どのような住まいを作るのが
得意なのか、
聞いてみましょう。

ここで話が合わなければ、
住まい方に対する考えが
合わない場合もありますので、

じっくり話をしてみて、
合わないなと感じたら、
その人は、
あきらめた方がいいでしょう。

逆に、話をしていて
住まいに対する夢や希望を
膨らませてくれるような人だったら、
じっくり話してみると良いです。

==========
3 建築士の手がけた住宅を訪問する
==========

その建築士が、
これまでに手がけた住宅を
可能な範囲で
教えてもらいましょう。

もちろん、
住まい手の都合もありますので、

建築士さんを通じて、
先方の了承を得てもらってから、
訪問するようにして下さい。

了承が得られない場合は、
遠目に外観を見る程度にとどめて下さい。

勝手に敷地内に入るのは、
法に触れますのでやめましょう。

路上から見る場合も、
無断で写真を撮ったり、
あまりじろじろ見つづけたりするのは、
プライバシーの侵害にもつながりますので、
くれぐれも自重して下さい。

==========
4 その住まい手に感想を聞く
==========

幸運にも、了承を得られた場合は、
住まい手から、
実際に住んでみた感想を
いろいろと聞いてみましょう。

また、実際のお部屋を
見せて頂く場合は、
入って欲しくない部屋が
ある場合も想定されますので、

見る部屋毎に、必ず了承を得てから
立ち入るようにして下さい。

時間の目安としては、
30分程度にしましょう。

あまり長居をすると、
先方にも負担がかかります。

あくまでも、
相手のご好意で
おうちを拝見させて頂いている、
という気持ちを忘れないで下さい。

訪問の際は、
最低限のお礼として、
菓子折りなどを持参すると
良いでしょう。

==========

ところで、
ここで問題となるのが
まだ実績が無い、または少ない、
独立したての建築士の場合
です。

話は合うけど、
実績を見る事はでない場合は
どうすればよいでしょうか?

この場合は、
『以前の勤務先』で手がけた事例
聞いてみるとよいでしょう。

どのような事例を手がけた上で
独立したのかを知ることで、
十分、参考になりますよ。

●結局、建築士に頼むのって面倒?

このように書いていると、

『建築士を選ぶのって
 結局、面倒そうだな・・・』

と思った方も
おられるのではないでしょうか。

ある意味、
面倒かも知れません。

もしそう思われたなら、
ぜひご自分の恋人選びを
想像してみて下さい。

最初はいろいろと
話をしますよね。

そこで、話が合うかどうかは、
ビビッとくるかどうかの
重要なポイントですね。

さらに、その人の友人と
お話をしてみる
と、
違った角度から、その人を
知る事ができますね。

そうやって、

『本当に
 この人で間違いない』

そう思えた所で、
『結婚』
意識すると思います。

一方で、
スピード結婚した芸能人ほど
すぐに離婚して騒がれますね。


昔の諺で、
急いては事を仕損ずる
とも言いますように、

あなたの人生の多くを過ごす
大切な住まいをつくるために、

設計してくれる人選びは
重要です。

そして、その人と
どれだけ話を重ねたか、が
住まいの良さを高めます

1~2回の打合せで
満足のいく住まいなど
作れるはずがない、と
私は思います。

私がベストと思っても
貴方がベストと思うかどうかは
貴方の価値観によるから
です。

100%価値観が一致する人は
この世には存在しません。

だからこそ、
あなたの価値観を確認し、

貴方にとってベストになるよう
調整を重ねていく
のが、
『打合せ』なのです。

それすら面倒だと
もし思われる方がおられましたら、

おそらくその方は
一生、満足のいく住まいには
出会えないでしょう。

お気の毒としか
言いようがありません。

面倒だなんて言わずに、
まずは話してみて下さい。

話せば話すほど、
楽しい世界が待っていますよ。

 * * * * *

今日も最後まで
ご覧頂きまして、
誠にありがとうございました。

深津( ̄▽ ̄)

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