皆様、こんばんは。
深津です( ̄▽ ̄)

今日も私のブログにお越しいただき、
ありがとうございます♪

昼間はすっかり春の陽気ですが、
朝晩はまだ冷えますね。
風邪ひかないよう、気をつけて下さいね。

今日は、設計監理をしている
リフォームの現場のお話です。

安易にリフォーム業者に頼むとうまくいかない、
いくつかの理由のうちの一つをお話します。

●あけてビックリ!玉手箱か?パンドラの箱か?

リフォームの現場というのは、
壁や天井をはがしてみないと分からない
問題もあったりするので
工事が始まってからの変更が多々あります。

それを防ぐため、事前に壁や天井の一部を
剥がしてみて、調査をしたりもするのですが
それでも、発見できない問題があったり
するんです。

●想定外の問題が発生した時の対処法とは

しっかりした図面が残っていればよいのですが
建て売り住宅などでは、最小限の図面しかなく
詳細図がまったくない場合もあります。

今回の現場でも、図面がほとんどないため、
当時設計・施工した業者を探したのですが、
すでにその電話番号は使われておらず、
連絡がつきませんでした。

そこで、建築士事務所協会というところに
出向いて、調べて頂いたところ、
すでにその業者は廃業していました。

仮にその社員と連絡がついたとしても、
廃業しているとなると、
当時の図面を保管している可能性は期待できません。
現地調査をして図面を新たに作るしかありません。

寸法をはかり、写真をとり、
残された少ない図面を補完しながら、
現状の図面を作ります。

それでも不明な点については、
一部を壊して調べる必要があります。

まだお住まいの時点での調査だったので、
大々的に壊すわけにもいきません。

そこで、天井の一部に点検口をつけたり、
ダウンライトの照明器具を取り外して、
その穴から覗いてみたり、写真を撮ったりして
調査しました。

その結果、ある程度の状態が分かったので
それをリフォーム設計に反映したのですが、
全ての柱と梁が分かるわけではありません。

実際に解体して骨組みが露わになると、
あれれ?違うぞ、ということもあるのです。

●想定と違ったら、どうやって対処するか

今回の現場でも、事前の調査である程度
把握はしていたのですが、それでも
あけてビックリな場所が2カ所ほどありました。

一つは、玄関ポーチの柱。
二つ目は、天井裏の梁でした。

【1】玄関ポーチの柱

音や形状から、飾りで太くしていると
思っていたら、実はガッチリ補強が入ってました。

これは、むしろ良い方向での想定外なので
それ自体は問題ではないのですが、
それらの補強がないことを前提に設計していたので
周囲の納まりを変える必要がでてきました。

現場の状況や寸法を調べた結果、
せっかく入っている補強を活かすため、
周囲の納まりを変更することになりました。

【2】天井裏の梁(はり)

木造の建物は、おおざっぱにいうと
・柱(垂直方向の木材)
・梁(水平方向の木材)
・床(ベニヤ板)

で構成されています。
床の重みを梁で支え、その梁を柱で支える、
というふうになっています。

(他にも土台、すじかい等、さまざまな部材が
ありますが、とりあえずここでは省略します)

このうち、「梁」の部分は
リフォーム前は天井裏に隠れていたのですが、
せっかく均等に並んでいるので、

デザインに活かし、隠さずに見せるようにしたら、
天井も高くなるので一石二鳥というわけです。

ところが、天井をはがしてみてビックリ。
想定と違った向きに梁が入っている
箇所が一部だけあったのです。

思ったように梁をそのまま見せることができず
その部分は本来の梁を隠した下に、
化粧の「飾り梁」をつけて対応にすることになりました。

新築なら、最初から梁そのものをデザインに
利用できるのですが、
リフォームの場合は、思ったように使えないことも
けっこうあるのです。

●建築士に設計・監理してもらう必要性とは?

このように、大々的なリフォームでは
往々にして必ず問題が発生します。

それが問題になるか、ならないかは、
対処できる能力のある人間が担当するかどうかが
非常に重要になってきます。

リフォーム業者の中には、
建設業許可番号のない業者もあります。

クロス(壁紙)の張り替えや、
床のフローリングの張り替えをする程度なら
こういう業者でもできることはできます。

ただ、間取りを変更するような工事になると、
こうした業者は知識が不足している場合があり、
適切な対処ができないケースも出てくるのです。

きちんと建築士が設計し、
しっかりした工務店が施工を行い、
設計した建築士が現場で「監理」※を行うことで、

こうした現場での「あけてビックリ」にも
適切に対処することができるようになるのです。

間取りの変更を伴うようなリフォームでは
このことをしっかり覚えておいて下さいね。

 ◇ ◇ ◇

※「監理」とは、簡単に言うと
 ・図面通りに作られているかどうかチェックする
 ・図面通りに作ることができない場合、適切に対処する
 ・問題があった場合、依頼主に報告する
 といった業務です。

今日も最後までお読み頂き、
ありがとうございました。

深津( ̄▽ ̄)

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