元・飲食店のテナントです。
平面形状は凸凹な変形。
この時点で、普通は敬遠します。
この募集時の資料は
かなりいい加減で、
実際は
道路に沿った2面の壁が
それぞれ斜めになっており
家具を置くのに苦労しそう。
各部分の寸法を測ると、
美容室としては絶妙に使いにくい
中途半端な寸法です。
既存の内装は、
ボードの上から
下地処理もせずに
いきなり塗装してあります。
しかも、その塗装が「赤」。
なんとも暗い色です。
暗い、変形、使いにくい。
そのわりに、
もともと小さな2店舗だったのを
ぶちぬいて繋げたらしく、
トイレがムダに2つもあります。
入口から入って行くと、
一番奥は壁となっていて、
窓がありません。真っ暗です。
振り返ると、
外がとても眩しい。
これでは日中は
目がおかしくなりそうです。
さらに設備は、
電気・ガス・水道とも貧弱。
正直なところ、最初は
他を探したほうがいいんじゃ
ないかとも思いました。
でも、クライアントさんは
「この家賃で、
4席+シャンプー2台が
もし成り立つなら、嬉しい」
とおっしゃるので、
ひとまず
プランが成立するかどうか
検討を始めました。
いろいろなパターンを
検討した結果、
4席+シャンプー2台が
整然と入りそうな
パターンが見つかりました。
しかし寸法が足りず、
かなり通路幅が
狭くなってしまいます。
うまくおさめるには
どうしたらよいか
検討を重ね、
どうやら
シャンプー台背後の
収納家具を工夫すれば
成立しそうだと分かりました。
そして細部を詰めて
工務店に見積依頼しました。
次の難関は
見積額が予算と比べて
かなり厳しかったこと。
いろいろ仕様を調整し、
再見積をお願いして、
業者さんが損をせず
きちんと利益を出せて、
かつ
クライアントさんの予算にも
ちゃんと収まる所まで
調整しました。
そして
「これなら行ける」
という状態になったので
即、工務店に工事手配を依頼。
クライアントさんと工務店との
契約を結んでもらう準備をしつつ
工事開始の段取りもしてもらう
慌ただしいスタートとなりました。